秋月電子通商のSerial Copy Managerです。法律が改正され今は販売されていません。DATやMDなどのSCMS規格を自由に操ることができる装置です。通常MDやDATなどデジタル機器はSCMSに準じて作られているためデジタルtoデジタルのコピーは1回しかできません。デジタルではデータの劣化がほとんどないため、何回でもコピーできてしまいます。そのため市販のCDなどの著作物を守るためにこのような規制ができたのです。
しかしたとえそれがオリジナル音源であってもその制限を受けてしまいます。BRKではラジオドラマなど音の編集にはMDを使っています。パソコンを用いることもありますがメインはMDです。(昔はオープンリールテープを直接切り張りして音の編集をしていたようですが決して僕はその世代ではありません!)MDは編集を繰り返すとパソコンのハードディスクと同じように断片化してしまいます。しかもMDにはデフラグといった機能がありません。そこでこのSerial Copy Managerが役に立つのです。
同じようなものにPROSPECのMD SAVER PROがあります。
このSerial Copy Managerは、標準ではコアキシアル入出力仕様でコネクタや外箱、電源などは別売りです。またサンプリング周波数が48KHz,32KHzの場合は、コピーしたテープに対し1.再コピー可、2.再コピー不可、3.永久コピー許可の3モードが選べます。3の永久コピーモードでコピーすれば、そのMDは特別な機材なしで永久にデジタルコピーが可能になります。そのため44.1KHz(CD)では2のモードに固定されています。
今回は44.1KHzの制限を解除し、コアキシアル+オプティカル(光)入出力対応させる改造をすることにしました。またケースに入れたときにスイッチのみではつまらないのでいくつかLEDをつけてサンプリング周波数などの情報を表示できるようにしました。
まず、44.1KHzの制限はPROSTと書いてあるIC(Pioneer PD0052)の28ピンから出ているパターンを1カ所カットするだけで解除できます。またこのICから各種情報を取り出すことができます。使えそうなピン番号と機能は次の通りです。
ピン番号はこちら。
ピン番号 | 機能 | 解説 |
---|---|---|
24 | コピー情報出力 | Hで永久コピー可能 |
25 | Emphasis | HでEmphasisあり |
26 | Error | HでErrorあり |
27 | サンプリング周波数48KHz | |
28 | サンプリング周波数44.1KHz | |
29 | サンプリング周波数32KHz |
24〜26ピンからの出力に1KΩの抵抗を通してそれぞれのLEDのアノード側(+をつなぐ方)につなぎカソード側(-をつなぐ方)はGNDへつなぎます。27〜29ピンはDC5Vから1KΩの抵抗を通してそれぞれのLEDのアノード側につなぎカソード(-側)は各ピンへつなぎます。(27〜29ピンに関しては同時点灯することはないので抵抗は1本でも構いません。)
配線方法は工夫してください。僕は空中配線で済ませてしまいました。
S1(4ピン) | S2(5ピン) | 入力 |
---|---|---|
H | L | IN1 |
L | H | IN2 |
H | H | IN3 |
光入出力に対応させるためにTOSHIBA光伝送モジュールTOTX1178/TORX178Aを準備します。現在でも秋月電子通商でコンデンサとコイルがセットになって売っています。その中にSerial Copy Managerへの接続方法が載っていますがその方法ではコアキシアルでは使えなくなってしまいます。もともとPD0052は3入力に対応していますのでセレクタ機能を用いてコアキシアル入力とオプティカル入力を切り替えて使えるようにします。
TORX178A(光受信モジュール)の1ピンをPD0052の3ピンにつなぎます。IN3につなぐことで5ピンの制御のみで切り替えを行うことができます。TOTX178は光モジュールの説明書に書いてある場所(OUTの直前の3kΩの抵抗の前)からTTLレベルで取り出せます。参考までにセレクタピンと入力チャンネルの対応表を載せておきます。
※3ピン、5ピンは標準状態ではGNDされていますので基盤から切り離してからつないでください。
あとはケースを加工してうまくセットしたら完成です。光コネクタ用の四角い穴は、丸い穴をあけたあとヤスリで削って四角い穴にしました。アルミケースですので簡単に加工できます。電源はACアダプタなどで構わないのでDC8〜12V/120mA程度のものを準備します。今回は2.1φDCジャックを用いたので逆流防止用ダイオードを仕込んであります。
コアキシアル、オプティカルともに同じ信号を出力できるのでCOAX←→OPT変換装置としても機能します。
フラットICの半田付け以外は対して難しいところはありません。質問・疑問・間違い指摘とう歓迎します。
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